今回のスクラッチ(Scrach)講座では、変数を使用するプログラムの作成を行います。
変数はどんなプログラムを作成する際にも必要な物で、これを学ぶことで更に本格的なプログラムを作成することが可能になります。
はじめての方には少し難しい考え方もあるかもしれませんが、分かりやすく説明しますので、ゆっくり勉強して下さいね。
まずは変数っていったい何なのかを説明したいと思います。
例えば私達は普段会話を行っている時に、数分前の会話についてや昨日の会話についても覚えていることができますよね。
しかし、コンピュータは、「覚えておいてね」としっかり指示しない限り、過去の会話はすぐに忘れてしまいます。
例えばスプライトと「今日の天気はどうですか?」「晴れです」と会話をするプログラムを作成したとします。
「晴れです」という答えを、コンピュータは長く覚えている事はできません。
次の会話に進んで「今朝は何を食べましたか?」「おにぎりです」と会話をした時点で、「おにぎりです」という返答があったことは記憶していても、「晴れです」については忘れてしまっているのです。
そんなコンピュータのために、「これを覚えておいてね」と記憶しておいてもらうための物が「変数」です。
それでは、実際にスプライトとの会話の内容を覚えさせておくプログラムを作成してみましょう。
1.まずは早速、変数を作ってみましょう。
2.スクリプトの「データ」を選択します。
3.「変数を作る」ボタンを押して下さい。
4.白いボックス内に「買い物1」と入力して「OK」を押して下さい。
5.「買い物1」というオレンジのブロックが作成されます。
6.続いて白いボックス内に「買い物2」と入力して「OK」を押して下さい。
7.「買い物2」というオレンジのブロックが作成されます。
8.続いて白いボックス内に「買い物3」と入力して「OK」を押して下さい。
9.「買い物3」というオレンジのブロックが作成されます。
10.「買い物1」「買い物2」「買い物3」という変数のブロックが完成しました。
11.次に、「調べる」のスクリプトから「〜と聞いて待つ」のブロックを選択して画面右に配置します。
12.「データ」のスクリプトから「〜を□にする」と書かれたブロックを選択肢して画面右に配置します。
13.続いて「調べる」のスクリプトから「答え」と書かれたブロックを選択して「〜を□にする」の□部分に配置します。
14.これらのブロックを選択して複製をし、下につなげます。
15.更にもう1度複製を行い、下につなげます。
16.まずは一番上の「〜と聞いて待つ」に「買ってくるものは何?」と入力します。
17.次に、二番目の「〜と聞いて待つ」に「他にも買うものがある?」と入力します。
18.さらに、三番目の「〜と聞いて待つ」に「他には?」と入力します。
19.続いて、1つ目の「〜を□にする」と書かれたオレンジのブロックの左側の▼ボタンを押して、「買い物1」を選択します。
20.今度は、2つ目の「〜を□にする」と書かれたオレンジのブロックの左側の▼ボタンを押して、「買い物2」を選択します。
21.そして、3つ目の「〜を□にする」と書かれたオレンジのブロックの左側の▼ボタンを押して、「買い物3」を選択します。
22.ここまで出来たら「見た目」のスクリプトから「〜と2秒言う」と書かれたブロックを選択して、3つ画面に配置します。
23.1つ目の「〜と2秒言う」のブロックのテキスト部分に「データ」のスクリプトの「買い物1」のブロックを配置します。
24.2つ目の「〜と2秒言う」のブロックのテキスト部分に「データ」のスクリプトの「買い物2」のブロックを配置します。
25.3つ目の「〜と2秒言う」のブロックのテキスト部分に「データ」のスクリプトの「買い物3」のブロックを配置します。
26.「見た目」のスクリプトから「〜と言う」というブロックを配置します。
27.「〜と言う」というブロックに「行ってきます!」を入力します。
28.最後にスクリプトの「イベント」のブロックの中から、「旗がクリックされたとき」のブロックを選択して、右側のブロックの一番上に配置します。
とても長くなってしまいましたね、お疲れ様です。
今回作ったプログラムは、スプライトに買い物する品物を質問させて、全て聞き終わったあとで「買い物1〜3」の内容を復唱させるというプログラムです。
変数を使うことで、このように過去の会話内容をコンピュータに覚えさせておくことが可能です。
今回は、変数を利用してコンピュータにいくつかの内容を覚えさせておくプログラムを作成しました。
少し処理が長くなってしまいましたが、大丈夫だったでしょうか。
処理自体は長いですが、行っていることは単純なので、少し分らなかった方も、もう1度ゆっくり作成してみると、だんだん仕組みが分ってくると思いますよ。
「条件分岐の処理」「繰り返し処理」そして今回の「変数」が使えることになると、色々なプログラムが作成出来るようになります。
次回の講座では値の比較を行ってみます。 次回もどうぞお楽しみに!